ドライバー採用が難しい理由とは?応募を増やす対策と定着のコツを解説

2026.09.24

ドライバー採用が難しい理由とは?応募を増やす対策と定着のコツを解説

ドライバーの求人を出しているのに応募が来ない、面接まで進んでも辞退される、ようやく採用できても短期間で退職してしまう。このような採用の悩みを抱える運送会社は少なくありません。

ドライバー採用が難しい背景には、人手不足だけでなく、業界の年齢構成や労働環境、求職者の仕事選びの変化など、複数の要因が関係しています。そのため、単純に求人広告の予算を増やせば解決するとは限りません。

大切なのは、自社の採用活動が応募・面接・入社・定着のどこで止まっているのかを見極めることです。求人をほとんど見てもらえていない会社と、応募は集まるものの面接辞退が多い会社では、取るべき対策が違います。

本記事では、ドライバー採用が難しい理由を整理したうえで、求人情報の作り方、募集方法、面接対応、入社後の定着まで具体的に解説します。

ドライバー採用が難しい4つの理由

ドライバー採用を改善するには、まず採用市場で何が起きているのかを把握する必要があります。特に押さえておきたいのが、求人倍率の高さ、高齢化、労働条件への不安、2024年以降の労働時間規制です。

これらは別々の問題ではなく、互いに影響しながら採用を難しくしています。

有効求人倍率が高く企業間の採用競争が激しい

ドライバー採用が難しい理由のひとつが、求職者に対して求人が多いことです。

国土交通省の「物流を取り巻く動向と物流施策の現状・課題」では、2023年度の貨物自動車運転手の有効求人倍率は2.18倍で、全職業の1.17倍を大きく上回っています。単純計算で採用できる確率を示す数字ではありませんが、ドライバーを必要とする企業同士の競争が強いことは読み取れます。

そのため、どの企業も求人サイトに掲載しただけでは応募を集めにくくなっています。

自社の求人を改善するときは、全国平均を見るだけでなく、営業所から通勤できる範囲にある競合求人を確認しましょう。同じ中型ドライバーでも、給与、休日、出勤時刻、帰宅時間、配送エリア、荷役の有無によって求職者からの見え方は変わります。

例えば、自社より月給が1万円高い会社だけを見るのではなく、毎日帰宅できるのか、土日の休みがあるのか、手積み・手降ろしがどの程度あるのかまで比較すると、自社が選ばれにくい理由を発見しやすくなります。

ドライバーの高齢化で経験者の確保が難しい

経験豊富なドライバーだけに採用対象を絞ることも、採用を難しくする要因のひとつです。

国土交通省の「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況」では、道路貨物運送業の就業者の年齢構成は40~54歳が45.2%で若年層と言われる15~29歳までが10.1%、65歳以上は9.5%となっています。全産業平均の40~54歳は34.7%、15~29歳までが16.6%と比較して若年層が少なくなっており、今後はベテランドライバーの退職への対応も必要になります。

特に中小の運送会社では、退職者が出てから求人を始めても間に合わないケースが少なくありません。経験者を1人採用すれば解決すると考えるのではなく、人員配置を数年単位で考えることが重要です。

まず、配車担当者と一緒に、担当ルート、必要な免許、業務経験、今後退職する可能性のある社員を整理してみてください。そのうえで、すぐに一人で運行できる即戦力枠と、半年から数年かけて育成する枠を分けます。

教育できる体制があるのであれば、経験年数を条件から外したり、未経験者まで採用対象を広げたりできる可能性があります。

長時間労働や給与への不安が応募を妨げる

求職者がドライバー職を検討するときは、給与だけでなく、拘束時間や休日、生活との両立も判断材料になります。

国土交通省が示す「国土交通白書 2025」では、中小型トラックドライバーの年間平均労働時間は2,508時間、大型トラックでは2,544時間です。全産業平均は2,136時間で、トラックドライバーの労働時間が長い傾向にあることが分かります。

一方、年間所得額の平均は大型トラックが485万円、中小型トラックが438万円、全産業が507万円でした。あくまで2023年の平均値であり、現在のすべての運送会社の待遇を示すものではありませんが、業界全体の採用を考えるうえで無視できない背景です。

だからこそ、自社の求人では月給だけを強調するのではなく、勤務時間や休日までセットで伝える必要があります。給与額が地域で最も高くなくても、地場配送のみ、長距離なし、毎日帰宅できる、休日が固定されているなどの特徴があれば、それを重視する求職者には魅力になります。

待遇を改善することと、すでに実現できている働き方を正確に伝えること。この両方を進めることが大切です。

2024年以降の労働時間規制で現場の人員計画に変化がある

2024年4月から、自動車運転業務にも時間外労働の上限規制が適用されました。

原則は月45時間・年360時間で、特別条項付き36協定を締結する場合でも、年間の時間外労働の上限は960時間です。また、トラックドライバーについては拘束時間や休息期間を定める改善基準告示も改正されています。

参考:厚生労働省|建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制 (旧時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務)

ここで注意したいのは、時間外労働、拘束時間、休息期間を同じものとして扱わないことです。それぞれ基準が異なるため、実際の勤務管理では区別して確認する必要があります。

採用面でも、単純に欠員人数だけを数えるのでは不十分です。どのルートに何時間かかっているのか、荷待ちはどの程度発生しているのか、特定の社員の長時間勤務によって運行が成立していないかまで確認しましょう。

採用と業務改善を別々に考えるのではなく、必要人数と運行体制を一緒に見直すことが求められています。

自社の採用が進まない原因を3段階で見極める

採用が難しいからといって、すぐに求人媒体を追加する必要はありません。

まず確認したいのは、自社の採用活動がどこで止まっているかです。

状況

主に確認すること

応募が少ない

求人の閲覧数、条件、募集地域、求人原稿

面接辞退が多い

初回連絡までの時間、面接日程、応募者への案内

早期離職が多い

求人と実態の差、教育体制、勤務環境

この3段階を分けるだけでも、採用予算をどこへ使うべきか判断しやすくなります。

応募が少ない場合は求人の閲覧数と条件を確認する

応募件数だけを見ていると、求人が見られていないのか、見られているのに応募されていないのかが分かりません。

まず、利用している求人媒体ごとに閲覧数と応募数を確認しましょう。可能であれば、必要な免許や条件を満たした応募者数も分けて記録します。

閲覧数そのものが少ない場合は、掲載地域、職種名、求人の公開状態などを確認しましょう。一方、十分に閲覧されているにもかかわらず応募が少ないなら、給与、勤務時間、休日、仕事内容などの条件や原稿内容を見直す必要があります。

ただし、1週間だけの数字で判断するのはおすすめできません。採用市場には季節や曜日による変動もあるため、同じ期間で比較しながら改善前後の変化を見ることが大切です。

面接辞退が多い場合は応募後の対応を見直す

応募は来ているのに面接につながらない場合、募集方法より応募後の対応に問題がある可能性があります。

面接前の辞退と、面接後の内定辞退は分けて記録してください。応募を受けてから最初の連絡まで何時間かかったのか、日程が決まるまで何往復したのか、面接当日まで何日空いたのかを整理すると、候補者が離れている地点が見えてきます。

運転中の応募者は電話に出られないこともあります。応募時に連絡可能な時間帯を聞いておく、面接候補日を複数提示する、営業所までの経路や駐車場所をあらかじめ送るなど、小さな改善でも負担を減らせます。

求人広告を追加する前に、すでに自社へ興味を持ってくれた人を面接までつなげられているかを確認しましょう。

早期離職が続く場合は求人情報と現場の差を確認する

採用できても数週間、数ヶ月で退職が続く場合は、求人媒体を変更するだけでは改善しません。求人で説明した仕事内容と、入社後の実態に差がないかを確認する必要があります。

給与、配送エリア、帰社時間、荷役作業、休日、研修内容などを照合してください。例えば、求人には研修制度ありと掲載していても、教育担当者が通常業務に追われ、新人が質問できない状態なら十分な研修とはいえません。

退職理由を本人の適性だけに求めるのではなく、複数の新入社員が同じ場所で困っていないかを見ることが重要です。そこで判明した問題は、求人原稿だけでなく、面接での説明や教育体制にも反映させましょう。

応募につながる求人情報を作る4つのコツ

採用市場が厳しいからこそ、求人情報では求職者が働く姿を具体的に想像できるようにする必要があります。

特にドライバーは、同じ職種名でも車両、配送距離、荷物、積み降ろし方法によって仕事内容が大きく変わります。

採用ターゲットと必要な免許・経験を明確化する

最初に整理したいのが、絶対に必要な条件と、入社後に身につけられる条件です。

即戦力が必要なら、必要な免許や担当できる車両、配送経験を明確にします。一方、社内で教育できるのであれば、経験年数まで必須条件にする必要はないかもしれません。

例えば、中型トラックによる地場配送を募集するのであれば、使用車両、配送地域、出勤時間、主な荷物、荷役方法、必要な免許、研修の有無を先に整理します。年齢や性別などの属性だけで対象を狭めるのではなく、実際の業務を遂行するために必要な条件から考えることがポイントです。

応募条件を緩和する場合も、現場に教育する余力があるかまで確認しましょう。

給与の内訳と休日・勤務時間を具体的に伝える

月給25万円〜40万円などの幅の大きな表記だけでは、求職者は実際に自分がいくら受け取れるのか判断できません。

可能な範囲で、基本給、各種手当、残業代、試用期間中の条件などを分けて説明すると分かりやすくなります。年収例を掲載するときも、勤続年数や担当車両、勤務実績などの条件を添えましょう。

勤務時間については始業時間だけでなく、通常の帰社時間や繁忙期の変化まで伝えられると、入社後の生活を想像しやすくなります。給与を大幅に引き上げられない会社でも、勤務時間の安定、固定休日、近距離配送など、現在実現できている働きやすさはあります。

経営者だけで原稿を作らず、掲載前に配車担当者や現場のドライバーにも確認してもらうと、実態とのずれを防げます。

配送ルートや荷役作業を示して仕事のイメージを伝える

ドライバー募集という職種名だけでは、実際の仕事は伝わりません。使用する車両、運ぶ荷物、配送エリア、1日の配送件数、積み込みや荷降ろしの方法まで具体的に記載しましょう。

例えば、1日の流れとして、出社後に点呼を行い、積み込みをして午前中に3件配送、休憩後に2件配送して16時頃に帰社するなどの通常日の例を紹介すると、仕事内容が見えやすくなります。

写真を掲載する場合も、イメージ画像より自社で実際に使用している車両や営業所、設備のほうが判断材料になります。

配送ルートが毎日変わるのであれば固定ルートと書かず、通常時の例と変更が起こる条件を説明してください。求職者が知りたいのは職種名ではなく、自分がそこで一日働いたときにどのような生活になるのかです。

未経験者向けの免許取得支援と研修を伝える

未経験者を採用対象にする場合、免許取得支援制度ありと書くだけでは十分ではありません。どの免許が対象になるのか、会社がどこまで費用を負担するのか、利用条件はあるのかを整理しましょう。

また、免許取得支援と業務研修は別のものです。入社後に座学、先輩ドライバーとの同乗、運転練習、実際の配送、独り立ちという流れがあるなら、その工程を求人ページで紹介すると安心につながります。

ただし、独り立ちまで○週間と一律に約束する必要はありません。運転技術や業務理解には個人差があるため、安全基準を満たしているかを確認したうえで進めることが重要です。

採用人数を増やす前に、教える社員の時間を確保できるかも確認しておきましょう。

ドライバー採用に使う募集方法の選び方

求人媒体は多ければよいわけではありません。

営業所の場所、必要な免許、経験の有無、採用期限などによって適した方法は変わります。無料媒体と有料媒体を対立させるのではなく、それぞれが届きやすい人材を考えて組み合わせましょう。

地元の人材にはハローワークと社員紹介を活用する

営業所から無理なく通勤できる地域の人材を探す場合、ハローワークや社員紹介は候補になります。

ハローワークは求人掲載に媒体費がかかりませんが、求人票の更新や応募者対応には社内の時間が必要です。無料だから放置するのではなく、内容を定期的に確認しましょう。

社員紹介も有効ですが、紹介を社員に強制しない仕組みにすることが大切です。募集中の仕事内容や応募窓口を社内に共有し、該当する知人がいた場合に任意で紹介してもらう形が運用しやすいでしょう。

知人だからと選考を簡略化せず、免許や労働条件の確認は通常の応募者と同様に行います。

経験者にはドライバー専門の求人サイトを検討する

経験者を採用したい場合は、ドライバー職に特化した求人サイトも選択肢になります。

比較するときは、媒体全体の登録者数だけを見るのではなく、自社の営業所周辺や募集する車種でどの程度求人が掲載されているかを確認してください。掲載期間、基本料金、追加料金、求人原稿の作成支援、応募者対応の範囲なども比較します。

また、媒体が公開している採用実績がそのまま自社にも当てはまるとは限りません。

営業担当者へ相談するときは、中型なのか大型なのか、地場なのか長距離なのか、いつまでに何人採用したいのかまで伝えたうえで提案を受けると比較しやすくなります。

異業種からの転職者には求人検索エンジンを使う

未経験者や異業種からの転職者まで対象を広げるなら、幅広い求職者が利用する求人検索エンジンも検討できます。この場合、運送業界の専門用語だけで求人を書かないことが重要です。

地場、幹線、横持ちなどの言葉を知っている前提にせず、配送する距離や仕事内容を一般的な表現でも説明しましょう。同じ営業所でも仕事内容が大きく異なる場合は、求人を整理して、応募先と実際の仕事が一致するようにします。

有料掲載を利用する場合は、費用が発生する仕組みや予算上限を事前に確認してください。広告の表示回数を増やすことそのものではなく、必要な条件を満たす応募者が増えたかで判断することが大切です。

SNSで現場の魅力を伝えて採用ページへつなげる

SNSは求人票だけでは分かりにくい職場の様子を伝えるために活用できます。

例えば、地場配送ドライバーの一日、トラックの設備、入社後に覚える仕事、先輩社員へのインタビューなどは、求職者が働くイメージを持つ材料になります。ただし、動画の再生回数やフォロワー数を増やすことを採用活動の目的にしないよう注意しましょう。

SNSを見た人が仕事内容や条件を確認できる採用ページへ移動し、問い合わせや応募ができる導線まで用意して初めて採用施策として機能します。撮影時は車両を安全な場所に停車させ、社員の肖像や荷主・配送先に関する情報を公開して問題ないか事前に確認してください。

面接辞退を減らして採用につなげる対応方法

求人を改善して応募が増えても、面接までつながらなければ採用にはなりません。

専任の採用担当者がいない会社ほど、応募後の連絡を経営者一人に集中させない仕組みが重要になります。

応募への連絡を早めて面接の手間を削減する

応募が入ったら、誰が確認し、誰が連絡するのかを決めておきましょう。

経営者が営業や配車対応で不在になるたびに連絡が止まる状態では、応募者への対応が遅れやすくなります。例えば、応募直後に受付済みであることと次回連絡の予定を知らせ、総務担当者が面接候補日を確認した後、面接担当者へ引き継ぐ流れを作ります。

一方で、ドライバーとして働いている転職希望者は勤務中に電話へ出られないことがあります。何度も電話するのではなく、連絡しやすい時間帯や希望する手段を確認しましょう。

応募フォームについても、最初から詳細な職歴を何度も入力させるのではなく、選考開始に必要な情報へ絞ることで離脱を減らせます。

職場見学と条件説明で入社後のミスマッチを防ぐ

面接は会社が応募者を選ぶ場であると同時に、応募者が会社を確認する場でもあります。可能であれば営業所や使用する車両を見てもらい、実際の仕事内容を説明しましょう。

求人で掲載した勤務時間、配送エリア、荷役作業なども改めて確認します。通常期と繁忙期で帰社時間が変わる、研修期間と独り立ち後で仕事内容が異なるなどの事情があれば、入社前に伝えておくほうが双方にとって安全です。

すぐに回答できない質問が出た場合は曖昧に答えず、社内で確認してから返答します。内定時にも労働条件と入社日までの予定を整理し、双方の認識に違いがないか確認しましょう。

採用したドライバーが定着する現場づくり

採用は入社日で終わりではありません。

採用費をかけて入社しても、教育体制や勤務環境が原因で短期間に退職すれば、再び採用活動を始めることになります。採用と定着を一つの流れとして考える必要があります。

教育担当者を決めて独り立ちまで支援する

新人教育を、その日たまたま時間の空いている社員に任せる方法では、教える内容にばらつきが生じやすくなります。主な教育担当者と、その人が不在の場合の相談先を決めておきましょう。

点呼、車両点検、積み込み、配送先での対応、事故やトラブル発生時の連絡など、覚えるべき項目を一覧化すると進捗を確認しやすくなります。教えたことと、一人でできるようになったことも分けて記録してください。

欠員が出ているからといって、安全確認を省いて早く独り立ちさせるのは避けるべきです。新人の配車だけでなく、指導する社員の仕事量も調整し、教育に使える時間を会社側で確保しましょう。

荷待ち時間の削減と勤務体制の改善を進める

採用活動と並行して、現在働いているドライバーの負担も見直す必要があります。

厚生労働省も、トラックドライバーの長時間労働に関係する課題として荷待ちや荷役を挙げています。2024年4月からは拘束時間や休息期間に関する改善基準告示も新しい基準へ移行しています。

まず運行記録から、どの納品先、どの時間帯で待機が長くなっているかを確認しましょう。荷主と時間帯を調整できないか、積み込み方法を変えられないか、配車を組み替えられないかなど、会社側で改善できる部分を探します。

改善できた内容は採用にも活用できます。ただし、これから実施する予定の施策を、すでに実現している制度のように求人へ掲載してはいけません。

現在できていることと今後取り組むことを区別して伝えることで、採用広報の信頼性も高まります。

相談しやすい関係と納得できる評価で離職を防ぐ

ドライバーは一人で運行する時間が長いため、職場で顔を合わせる時間が限られることがあります。だからこそ、新人が困ったときに誰へ相談すればよいのかを明確にしておくことが大切です。

入社直後は短時間でも定期的に話す機会を設け、配送先で困っていること、体力面の負担、教育方法への疑問などを確認すると問題を早期に把握できます。評価についても、配送件数だけを見るのではなく、安全確認、仕事の習熟、顧客対応など、会社が大切にしている行動を明確にしましょう。

昇給、担当車両、仕事の幅を広げる条件も説明と実際の運用を一致させる必要があります。

社員が困り事や改善案を話したことで不利益を受けるのではないかと心配する環境では、本音は集まりません。経営者や管理者が普段から相談を受け止めることも定着策の一つです。

採用単価と期限から改善策の優先順位を決める

採用媒体や人材紹介、採用代行など、採用にはさまざまな方法があります。

しかし、採用難だからといってすべて導入すると、費用だけが増えてしまいます。採用単価、採用期限、社内で使える時間を整理したうえで施策を選びましょう。

採用単価は相場と自社の実績を分けて考える

採用費を判断するときは、業界平均と自社の実績を混同しないことが重要です。

マイナビの「中途採用状況調査2024年版(2023年実績)」では、2023年実績の運輸・交通・物流・倉庫業界における、採用者1人あたりの求人広告費は30.5万円とされています。ただし、これはドライバーだけの数字ではなく、営業職や事務職などを含む業界全体の値です。

自社では、自社の数字を計算してください。

例えば求人広告費30万円で10人から応募があり、2人採用できた場合、広告費だけで考えると応募単価は3万円、採用単価は15万円です。ここに採用担当者の工数や教育費まで含める場合は、広告費とは別に整理したほうが比較しやすくなります。

前年と今年を比べる際にも、何を採用費へ含めたのかをそろえておかないと正確な判断ができません。

採用期限と社内工数で外部サービスの活用を決める

外部サービスを使う場合は、自社のどの問題を任せるのかを明確にしましょう。

応募者への連絡や日程調整をする人がいないなら採用代行、そもそも候補者との接点が不足しているなら人材紹介など、課題によって選択肢は変わります。契約前には、どこまで支援してもらえるのか、候補者への連絡を誰が行うのか、料金が発生するタイミング、追加料金、途中で終了する場合の条件まで確認してください。

また、採用業務を外部へ任せても、入社後の教育や職場環境まで自動的に改善されるわけではありません。外部に任せる仕事と、会社側で改善する仕事を分けておくことが重要です。

欠員が運行へ影響している場合には、配車や既存社員の負担を調整する当面の対策も並行して進めましょう。

改善を進める3つのステップと確認指標を決める

採用活動を改善するときは、同時に何十項目も変更するより、問題が起きている場所から順番に改善したほうが効果を判断しやすくなります。

まず、応募から定着までの現状を数字で確認します。求人閲覧数、条件に合う応募数、面接実施数、入社数、一定期間後の在籍人数などです。

次に、最も大きく減っている場所を改善します。例えば閲覧されているのに応募されないなら求人原稿、応募はあるのに面接につながらないなら応募者対応、採用してもすぐ辞めるなら教育や勤務環境を優先します。

改善後は同じ指標を確認してください。求人原稿を変えた翌週の応募数だけで成功と判断するのではなく、面接、入社、定着まで追うことが重要です。

専任の採用担当者がいない会社なら、最初の1週間で求人内容と連絡担当者を決め、その後に媒体追加やSNSなど次の施策を検討する方法でも構いません。

重要なのは施策を増やすことではなく、誰が、いつまでに、何を改善し、どの数字で判断するのかを明確にすることです。

ドライバー採用が難しい原因を見極めて改善を進めよう

ドライバー採用が難しい背景には、高い有効求人倍率、高齢化、労働条件への不安、労働時間規制への対応などがあります。ただし、採用市場が厳しいという理由だけで、自社の採用が進まない原因を説明することはできません。

応募そのものが少ないのか、面接まで進まないのか、採用後に離職しているのか。まずは自社の状況を切り分ける必要があります。

応募不足であれば求人条件や仕事内容の伝え方を改善し、面接辞退が多ければ応募後の連絡体制を整えます。早期離職が課題なら、求人情報と現場の差、教育体制、勤務環境まで見直さなければなりません。

求人媒体を増やす前に、まず今週できる改善策をひとつ決めてみてください。

担当者と期限を決め、同じ指標で結果を確認していく。それを繰り返すことが、採用難の環境でも自社に合うドライバーと出会い、長く働いてもらえる採用体制につながります。

梅原 真琴

梅原 真琴

人材業界で​7年間、​一貫して​企業の​採用課題に​向き合い、​セールスマネージャーと​して​運輸業などを​中心に​累計300社以上の​採用を​成功に​導く。​その​中で、​学歴や​経験で​可能性が​閉ざされが​ちな​若者と、​人材不足に​悩むノンデスク領域の​企業との​間に​大きな​機会が​あると​感じ、​2023年に​株式会社クロセスを​設立。​「しごとで​笑える​若者を​増やす」を​ビジョンに​掲げ、​未経験・​若年層に​特化した​求人メディア​「ジョブリット」を​運営。​若者の​可能性に​火を​つけ、​輝く​未来の​創出を​目指す。​

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